コラム：ひざ痛を治そう！
「症状別の運動プログラム」

変形性膝関節症によるひざの痛みは、発生するタイミングに一定の傾向が見られます。

ふだんの生活動作の中で、こういう動きをしたときに痛みが出るとか、ひざに違和感を覚えたあとに痛みを感じる、ということがあるようです。

それ以外のときには痛みは出ないか、あまり気にならないという場合も少なくありません。

ひざの痛みというのは意外に単純で、悪いところに痛みが発生します。悪いところというのは、変形（変性）によって弱くなった筋肉や靭帯、または組織です。

その部位に一定の動作によって荷重やひねり、衝撃が加わることで痛みが生じます。

逆にいえば、痛みの症状や場所がはっきりしていれば、おのずと飲むべきヒアルロン酸などのサプリメント成分や、調整や治療すべき靭帯や筋肉、組織が明らかになるわけです。

当然、ふさわしい運動も絞り込まれるので、改善効果もより大きくなります。ここでは、ひざ痛の患者さんがよく訴えられる症状別に効果的な運動を紹介します。

ご自分の場合はどんなケースになるのか。もう一度よくふり返ってみて、最も適切な運動を行うようにしてください。

なお、一つの症状について複数の運動を紹介していますが、時間がない場合は、どれか一つ行うだけでもけっこうです。そのかわり、できるだけ毎日行うようにしてください。

余裕のあるときには全部行うようにしましょう。それだけ効果も高まります。

１．階段を上るときに痛い

・イスでの足裏と足の甲のけんか
・お尻をすべらせて、かかと当て
・床に座って、かかとの８の字ゆらし

２．階段を下りるときに痛い

・うつぶせで足先を伸ばし、肛門を締める
・膝蓋骨（皿）の上下左右運動
・イスに座ってのかかと、または指先での８の字ゆらし

３．立ち上がるときに痛い

・足の横上げ
・うつぶせで足首のけんか
・イスでの足裏と足の甲のけんか
・イスに座ってのかかと、または指先での８の字ゆらし

４．座るときに痛い（ソファーなどに座る場合）

・イスに座ってのかかと、または指先での８の字ゆらし
・膝蓋骨（皿）の上下左右運動
・イスでの足裏と足の甲のけんか

５．しゃがんだり、正座をしたりするときに痛い

・ひざ関節のあそび調整
・うつぶせでのひざと足首の回転運動
・足の弓ぞり運動
・横向きでタオルでのひざ遊び
・あお向けでの腹筋強化

６．ひざを伸ばすときに痛い

・うつぶせでのひざと足首の回転運動
・足の内曲げ、外伸ばし
・膝蓋骨（皿）の上下左右運動
・ひざ関節腔の拡大運動

７．ひざに水がたまって痛い

・かかとの突き出し・座布団添え
・足首のおじぎ運動
・ひざのマッサージ

８．正座中は痛くないが、正座のため足を曲げたり伸ばしたりするときに痛い

・あお向けでのかかとの突き出し
・腰の８の字ゆらし
・イスに座ってのかかと、または指先での８の字ゆらし
・ひざと股関節の８の字ゆらし
・うつぶせでのつま先を立ててのかかとの突き出し
・ひざ関節腔の拡大運動

９．ひざがロックされたように固まって痛い

・ひざ関節のあそび調整

１０．イスからの立ち上がりの痛みをとる体操

・イスに座っての足の内曲げ・外伸ばし
・ひざの内曲げ、外伸ばし

参考にしてみてください。

なお、ひざ痛が気になる方に愛用されているのがヒアルロン酸です。ヒアルロン酸とは、ムコ多糖類の代表的な成分ですが、その大きな特徴は１ｇで６リットルの水を保持できるという、その保水性です。最近、美容や関節サプリメントの主成分としてヒアルロン酸が注目されていますが、これは主にこの能力によるものです。

ヒアルロン酸はその保水能力により、関節の中で、軟骨の持つクッションの役割を補完・代替してくれることから、関節系のサプリメントの主要成分として重宝されている、というわけです。関節痛や変形性ひざ関節症にお悩みの方はヒアルロン酸サプリメントも活用してみてはいかがでしょうか。

ちなみにヒアルロン酸の飲み方として、同じく軟骨を形成する成分であるグルコサミンや、その形成を助けるコンドロイチンと同時に摂ることで相乗効果が期待できると言われています。最近ではこれら３つの成分が同時に摂れるサプリメントも販売されていますので、興味がある方は試してみてください。

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